不定期連載/SS
消え入りそうな位、小さな声にしかならないけれど。 「・・・・・・・レイキ。」 ちゃんと、聞こえたんだろうか? 身を起こそうとして、丸いのに制止された。 「あ、まてまて、ちゃんと聞こえとるて。───ま、そのままでええから、わいの話も聞いてくれる?」
初めて見る、その生き物の姿に───思わず身をかたくする。 「…誰」 一言だけ、問いかけると。 「…相手に名前を聞くときは、先に自分から名乗らなきゃだめやろ?」 …ごもっとも。
途切れそうな、意識の中で───不意にその声は聞こえた。 「…どうしたん?」 …瞼に映る光が遮られたことから、顔を覗き込まれていることに気づいた。 ゆっくりと、目を開ける。 逆光を受けたソレの姿は─── 丸かった。
───食料は底を尽きかけている。 服の中に潜ませた拳銃に触れてみる。 …不安だ。 この世界の出口は、何処なんだろう。